2015年05月26日

『旅する映写機』と共に森田惠子監督が大黒座に来館されました!!

『旅する映写機』北海道初上映となった5月23日(土)、浦河は快晴に恵まれました。

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午後4時からの舞台挨拶までの時間は、森田惠子監督にとって馴染み深い浦河のまちを大黒座サポーターズクラブの有志が案内することになりました。
浦河との縁ができてかれこれ20年になる森田監督には、足を運ぶたびに会っておきたい人や行っておきたい場所があるそうです。日頃から浦河に関する情報を入手しているので、ここ何年か移住促進の取り組みが実を結ぶなど、浦河の目まぐるしい動きにも興味を持ってくれています。

ちょうどこの日は、昨年5月に精神科のクリニック(デイケア併設)としてオープンした浦河ひがし町診療所が「田植えツアー」なるプログラムを実施することになっており、まずはその様子を見学に行きました。

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「みんな初めてだから、昼頃までかかるかな…」と聞いていたのですが、10時過ぎに訪れてみると…
なんということでしょう☆彡
そこには診療所の患者やその家族、スタッフも入り混じり、100名近くの参加者が作業を行っており、すでに田植えは自体は終わりを迎えようとしているではありませんか。

それにしても遠目に眺めた田植えの光景は、来月20日から大黒座で上映が始まる『アラヤシキの住人たち』の予告編映像の画がシンクロしてしまうほど、自然の中に人々の営みがとけ込んだものでした。

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この日の様子は『アラヤシキの住人たち』の上映が始まる頃に、あらためてお知らせすることになると思います。

というのも、この田植えツアーの仕掛け人と言えるのが、当診療所の院長である川村敏明先生であり、音楽を用いた回復プログラムで診療所をサポートしている浦河在住のジャズベーシスト・立花泰彦さんなのです。

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精神科医である川村先生は、忙しい診療の合間によく大黒座で映画をご覧になります。
多くは夜7時の回。予告編映像が流れる7時10分頃に慌てて現れる川村先生が、頻繁に目撃されています(笑)
以前から川村先生と親交のある森田監督に言わせると、「川村先生、すっかりお腹ポッコリね」とのことでした。

また、本ブログでもたびたび紹介している立花泰彦さんは、もともと水田だったという自宅横の土地をこの日のために地道に耕していたそうです。
“農のある暮らし”のことをことさら語ることはありませんが、きっと患者やその家族と共に自然にふれあい、田植えによる喜びや達成感を味わえるこの日を思い浮かべて、音楽活動と自然農法を両立させていたのですね。

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田植えを終えて、たくさんの参加者・協力者によるバーベキューは、いい意味での“ごちゃまぜ”感があり、抱える生きづらさの大小や、患者と支援者といった関係性が意味をなさないような雰囲気に満ちていました。


その後、田植えの現場を後にした森田監督は、『小さな町の小さな映画館』にも出演した以西さんが経営する手づくりパン屋・ぱんぱかぱんに立ち寄り、以西さんと久々に再会。
翌日に控えた札幌での上映会会場でぱんぱかぱんも出張販売を行うことになっており、互いのタイムスケジュールなどを確認しあっていました。

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ちょうど浦河町内の知られざるビューポイントを巡る試み「うらたび」の開催期間中だったこともあり、ぱんぱかぱんの店先に設置された「スタンプハウス」(期間限定で現れる赤い屋根の精巧な小箱)を撮影する様子もありました。
※「うらかわスタンプハウスのある風景の会」については、コチラ(Facebookページ)からどうぞ。


その足で訪れたのが、森田監督による『小さな町の小さな映画館』と『旅する映写機』両作品のイラストを描いた浦河在住の漫画家・鈴木翁二さんの自宅でした。

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ここでは鈴木翁二さん宅のネコの写真だけを載せますが、翁二さん宅ではなんとも心温まる時間が流れたのでした。

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そして、ようやく舞台挨拶の時間に。

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『小さな町の小さな映画館』で大黒座や三上家、大黒座を支える浦河の人たちを撮影しているなかで、大黒座が道路拡幅によるセットバックのためミニシアターに建て替えられる際に、館主の奥さま・佳寿子さんが学生時代に「働きたい」と熱望していたという札幌市の「ジャブ70ホール」(1992年に経営難のために閉館)から映写機を譲り受けたというエピソードを耳にしたことがきっかけで、映写機の記録を残すことを決めたというエピソードが語られました。
※「ジャブ70ホール」については、コチラ(映画館グラフィティー)からどうぞ。

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「いつもは皆さんの背中にある映写機が、本作では主役になります」という言葉と共に、来場した方々がみな、大黒座の映写室に目をやる場面もありました。

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この日は約20名が大黒座に足を運んでくださいました。
本当はもっと溢れんばかりの来客を期待していましたが、こればかりは地道に集客につながる発信を続けていくしかないのだと思います。
ただ、このなかには全国各地の映画館を巡っているという若い男性が、はるばる海を越えて来館されました。
お話を聞くと、以前『旅する映写機』を観たのは、作品にも登場する川越スカラ座だったそうです。

スクリーンを通して伝わるメッセージが、観た人の生き方や日々の暮らしにも影響を与えるという、映画の世界の素晴らしさを感じる瞬間でした。

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事前のお知らせでは上映前の舞台挨拶のことしかふれていませんでしたが、実際は作品を鑑賞した後のトークがメインとなりました。
映写機を訪ねて回った旅は、映画館を巡る旅でもあり、映画のあるまちを訪ねる旅でもあります。
なかでも『旅する映写機』の最後に紹介されていた高知県の山奥に位置する「大心劇場」は、来館者の印象に残ったようで、シンガーソングライター「豆電球」としての顔も併せ持つ館主の人柄や、劇場の横で経営する「喫茶豆でんきゅう」で注文した食事を常連客が劇場内に持ち込んで食べながら映画鑑賞をする様子についての質問が出るなど、一様に興味深く聴き入っていました。

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三上館主はいつも通りの佇まいで、このあと森田監督と館主によるトークという運びなのですが、控え目な館主のことですので、すでに微妙なこの距離感です…。

ジリジリと壁に寄っていき、終いにはこの通り。
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先生に立たされた生徒みたいですね(笑)


そうそう、この日は素敵なお客さまの姿もありました。
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館主の奥さま・佳寿子さんに後から聞いてわかったのですが、写真に映る高齢のご夫婦は、映画『小さな町の小さな映画館』にも出演し、3館目となる現在の大黒座の建物を館主のイメージに沿って設計した永田まさゆきさん(浦河町出身/札幌市在住)のご両親だったそうです。
寄り添って歩くお二人の後ろ姿が印象的でした。

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来館者とのやりとりでは、当然のように大黒座の厳しい経営にも話題が上りました。
シビアな状況についてももちろん語られることになったのですが、最後はやはり館主からの「映画は映画館で観てほしい」という変わらぬメッセージが届けられ、トークは終了となりました。

あっ!
言うまでもないかもしれませんが…
このときも、例によってマイクのスイッチは根元からオフになっていました…^-^;;


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トークを終えて来館者を見送る森田監督と三上館主。

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その後、三上館主から森田監督にちょっとしたプレゼントが手渡されました。

全国の映画館を巡って、ひたすらモノクロで撮影した中馬聰さんの写真集、その名もまさに『映画館』。
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この写真集は翌日24日(日)、札幌市で行われるノース・シアター主催の自主上映会の会場で出張販売を行う六畳書房に、5冊だけ託されることになっています。
『旅する映写機』を観た後なら、きっと購入を希望する方がいるような気がします。


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この日は夜7時の回の上映終了を待って再び大黒座に数名が集まり、森田監督を囲むことになりました。

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一年に何度かある、大黒座のロビーにおける緩やかな時間です。

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三上館主と鈴木翁二さんの二人が揃えば、その場はもうワンダーランド。
言葉にはできないような豊かな時間が流れました。

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ちーたんは普段ならもうお休みの時間。
遅くまでわいわいとゴメンね。

そして、森田監督はこの翌日、一路札幌に向かうことになります!
その様子はまたあらためて…。
posted by だいこくニャ at 22:30| Comment(0) | 大黒座ゆかりの…
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